漢方コラム

お問い合わせ

れいこん通信

れいこん通信No8 お陰様

19年08月22日

2018年8月のれいこん通信は「お陰様」についてです。

この夏は大阪の地震に西日本の大洪水、そして全国的な猛暑に逆走台風などによって多くの方が被害に遭われました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、今なお避難所生活を余儀なくされている方や、復旧にご尽力されている方にお見舞いを申し上げます。
これから続く暑さが少しでも和らぐことと、台風やゲリラ豪雨が少なくなることを祈ります。

洪水や土石流などで一命をとりとめた人たちは、助かった時に何を思ったでしょうか。
一歩間違っていたら命がなかったかもしれない、あの時とっさに行動していなかったら、こんなになるとは、声をかけてもらわなかったら、人それぞれに命を助けられたと強く感じたことでしょう。
生死を分けた要因を考えてみても、本当のことはわかりません。運が良かったとしか言いようがないのでしょう。
しかし、そこに何かしら目に見えない力が働いて、助けられたのだと感じた人は多かったと思います。
まさしく「お陰様で助けられました」と。

「おかげさま」は、現代は日常語として使われていますが、日常語ゆえに、その意味を深く考えたことがない人もみえるかと思います。
「おかげさま」を辞書で調べると、「相手の親切などに対して感謝の意を表す挨拶語」と記されています。
「おかげさま」は、「お陰様」とも書き、大抵が「お陰様で・おかげさまで」と「で」がくっついた形で使われます。
また、「御蔭・お陰」と、「様」をとっぱらった使い方もされます。
なぜ「様」とわざわざくっつけているのか。それは、本来「おかげさま」というのは、神仏であったり、神仏の加護を意味しているからです。
「おかげさまで命を助けていただくことが出来ました。」というのは「仏様、神様のおかげで、命を頂戴いたしました。」とも読み替えることが出来るわけです。
本来的には「おかげさまで」は「神仏、またその加護」という意味が含まれているのです。

今、多くの人が生かされているということを自覚していません。
今回のような自然災害にあって始めて自覚しているしだいです。
しかし、本来は常日頃から自覚することが本来ならばあるべき姿なのです。「おかげさま」とは神仏に生かされていることへの感謝を表す言葉、ただ単なる人への挨拶としての言葉ではないのです。
今の多くの人はそれを忘れているので、自分勝手な行動ができるのです。
自然を破壊したり、むやみに人を傷つけたり殺したりすることができるのです。すべてが神仏の力によって生かされていることを自覚していれば、このようなことができるわけがありません。一人でも多くの人が日々「おかげさま」を自覚した生活を送ることが今、必要とされています。
昨今増大する自然災害は、そのことを気づかせるものなのかもしれません。

人は本来何のために生まれてきたのか、人それぞれにちがいますが、一つ言えることは、それぞれに何かを学ぶために生まれてきたのです。
たとえば、許すことや愛すること、思いやることや人を助けること。
そして苦しい思いをすることなど。
今おかれている状態は自分が望んできたことであることを、多くの人は忘れているのです。苦しいことや辛いことから何かを学ぶために生まれてきたのです。
そのことをしっかり認識すれば、必ず今の状態を乗り越えることができるのです。そのための第一歩が「おかげさま」なのです。
こうして生かされて、すばらしい体験をさせていただいていることへの感謝の気持ちを表しているのです。

ページTOPへ戻る

電話する

お問い合わせ