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まが玉通信

まが玉通信No13【託す】

22年06月13日

ロシアがウクライナに侵攻したことで、あらゆる面において今までとは異なるようになってきました。小麦を始めとした食料品がどんどん値上がりし、エネルギー関係やさまざまな物の値段が上がりつつあります。これは世界中で起こっていて、さらにエスカレートしようとしています。資源がない日本がこれからどうなっていくのかを考えてみることにします。

 

日本の食糧自給率は40%を切っています。主要穀物に関しては20%を切っているのです。小麦、大豆、トウモロコシ、さらに野菜の種のほとんどは輸入に頼っているのです。唯一、米はほぼ自給していますが、輸入米はお菓子や家畜の飼料に使われています。しかたがって40%と言われていますが、実際は20%を切ることになるのです。これからすべての食糧が値上がっていけば、結果的にはすべての食料品が値上がっていくのです。家畜の餌もトウモロコシが多く使われているため、結果的には卵も食肉も乳製品も値上がるわけです。さらに、化学肥料もかなり高騰しているため、野菜も値上がっていきます。場合によっては種も値上がるので、ダブルパンチで値上がるのです。化学肥料の原料の多くは、ロシアとウクライナが輸出しているからです。さらにハウス栽培に必要なビニールや暖房に必要な石油も値上がるため、値上がっていくのです。そして、漁師が乗る漁船の燃料も。値上がらないのはおそらく、露地栽培の野菜だけとなるでしょう。

 

日用品や家電製品、そして衣類や住宅も値上がっていきます。その多くが石油を使っていますし、製造するにも石油を使います。さらに輸送も。すべての面でコストが上がるため、それは商品の値段に転化されていくのです。100円ショップや100円寿司、さらに低額商品はすべて値上がっていくでしょう。収入は上がるどころか減ることもあり得ます。年金受給額の削減や税金の増税、さらには光熱費の値上がりで収入は減るばかりとなるのです。一番値上がる可能性があるのが、電気、ガス、そして公共交通機関の運賃です。石油やLPガスに依存しているため、値上げの対象となるのです。そして、意外と知られていないのが毎日の生活に使われている塩です。その多くが輸入に頼っているのです。国内で生産しているのは2割から3割で、多くが岩塩として輸入して国内で加工して販売しているのです。さらに工業用として使う塩はほとんどが輸入に頼っているのです。

 

このようにあらゆる物が輸入に依存している日本は、これからどうなっていくのかをしっかりと考えていく必要があるのです。物はなくなることはありませんが、すべてが値上がって行く以上何を優先して購入していくかをちゃんと考えておく必要があるのです。さらには、さまざまな業種もこれから本当に必要とされる物を販売していかないと、時代の流れに取り残されていくのです。物だけでなく、サービス業や観光業、タレント業やスポーツ選手、さらには音楽家や今はやりのユーチューバーにeスポーツ選手などはこれからはかなり厳しくなっていくでしょう。生きていく上で一番必要とされる職種をしっかりと見極めていかなければならないのです。農業や林業、再生可能エネルギー関連やリサイクル関連、さらには介護や福祉、そして長く使える伝統工芸品などを作る職人などの職業が残っていくことになるでしょう。

 

これからの時代でさらに影響を受ける業種が飲食店や居酒屋です。食品製造メーカーや食品販売にかかわる業種も。低価格を売り物にしてきた外食チェーンは軒並み大打撃を受けることとなり、撤退や縮小に追い込まれるでしょう。各種の食品製造メーカーも規模の縮小や品目の削減を余儀なくされるでしょう。特に小麦を使った食品はかなり削減されることになります。ラーメンやパスタ、ピザにパンなどはかなり厳しくなるでしょう。また、これらをメインにした飲食店や小売店も廃業に追い込まれる店が多くなるでしょう。おそらく、この秋頃からそれは現実として現れてくることでしょう。今からどうするかをしっかりと考えて、備えなければなりません。米粉を使った食材に変えていったり、業種自体を変えるとか、さらには自家栽培を試みるとか、いろいろな方法を考えなければなりません。私の古くからの友人は岐阜の山間部の出身でしたが、若くしてソバ屋を起業しある程度繁盛するようになると、故郷で2号店を始めて地元の人たちにそば栽培を依頼して、それを買い取ることで自給するようにしています。

 

そしてこれから一番必要とされるのが、エネルギーとなる燃料です。石油や液化天然ガス、石炭は高騰するばかりで、経済全般に重くのしかかってきます。それに代わる再生可能エネルギーをいかに早く普及させるかが当面の課題なのですが、今の政府にはそれを率先していく能力はありません。さまざまなしがらみがあるため、新規産業を発展させていくことができないのです。であれば自分たちでやっていくしかありません。まずは電気やガスを使わないようにすること。特にエアコンや暖房機をいかに使わないようにするかを工夫しましょう。夏場の冷房は必要ですが設定温度を高くしたり、効率的に使うことを探究しましょう。一日冷房の効いた部屋にいることはしないで、朝夕散歩やジョキングでしっかり汗をかくことで、かなり冷房を使わなくてもすむようになります。冬場は着る物を温かくすれば暖房は少なくてすみます。ちょっとしたことで電気の使用はかなり削減されます。テレビやパソコンを長時間見ることをやめて、読書や家族の団らんに時間を使うようにしましょう。さらに、早寝早起きをするように心がければ、電気の使用料は減っていきます。

 

通勤通学では自動車の使用を減らすことを勘考しましょう。毎日でなくても週の内、2回や3回ぐらいは公共交通機関や自転車を使うようにしたり、さらにはテレワークを最大限活用するように工夫をこらしてみたり。一層のこと地方や田舎へ移住することを考えてみたりすることもよいでしょう。都心部での生活は便利ではありますが、これからさまざまな物が値上がっていくととても住みづらくなっていきます。特に食料品や家賃が高騰するため、生活費が回っていかなくなるでしょう。よほどの高給取りや資産家でない限りは、都心部での生活は困難になっていくでしょう。今のうちに移住を考えておくとよいでしょう。

 

託すとは、これからの生活や生き方を大きく変えていくためには、これからの時代を担う子どもや若者たちが変わっていかなければならないのです。ある程度の年齢になった大人はなかなか今までの考え方や生き方を変えることはできません。せめてこれからの時代を担う世代が変われるようにしてあげることが大人たちの役目でもあるのです。自分はできなくても、子どもや若者たちには変わってほしいと思う気持ちを持たなければなりません。託すとは、まさにそうゆうことなのです。今までの常識や価値観を180度変えていくために、大人がその必要性と方向性を教えていかなければならないのです。衣食住すべてにおいて、ある意味で昭和の30年代の生活に戻ることが一つの目安となるでしょう。ちょうど私が生まれた頃の時代です。車もまだあまりなく、冷蔵庫もテレビも洗濯機もまだ普及していない時代でした。

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