漢方コラム

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漢方の不思議シリーズ

漢方の不思議シリーズ 不食

19年08月23日

先ごろ、刑事役や時代劇でおなじみの俳優、榎木孝明(59歳)さんが30日間、ほぼ水だけの『不食』をしたと報道されました。
若いころからインドへ長期に行ったり、武道の達人でもあることから、不食には以前から興味があったそうです。今回は専門のドクターの管理下で行い、体重は9キロ減ったものの、すこぶる心身ともに充実して、持病の腰痛も改善し、頭も冴えわたるようになったそうです。このようなことは、現代医学や栄養学的には説明できないことです。

しかし、漢方的には十分可能なことだと考えます。

 

漢方では、人の生命活動を維持するエネルギーを『氣』と呼んでいます。例えるなら、家電製品を動かす電気に相当します。

『氣』は人が生まれる時に、生涯一度だけ母親から授かる『先天の氣』と、生まれてから、呼吸や食べ物から取り入れる『後天の氣』からできています。

ゆえに『氣』は、『先天の氣』、『呼吸から取り入れる氣』、『食べ物から取り入れる氣』の三つから成り立っています。この内、唯一自分の意志で断つことができるのが、『食物の氣』と言えます。

 

福井県にある禅宗の永平寺。

750年前から続く厳しい修行は有名です。

毎年全国から修行僧が集まってくるのですが、最初の2~3ヶ月は多くの僧侶が貧血で倒れて、病院で点滴を打つそうです。普段は私達と変わりない食事をしていたのが、いきなり精進料理。

朝はお粥に胡麻塩、沢庵、昼と夜は麦飯か白飯、汁物と野菜という質素なもの。

カロリー的にも、栄養学的にも極端に少ない内容なのですが、体が慣れてくると(漢方的には、食物の氣以外の氣を有効に体が活用するようになる)、貧血で倒れることもなくなり、厳しい修行に耐えうるようになるそうです。

ただ、空腹感だけは別物だそうです。いずれにしても、人は本来そんなに食べなくても、健康に生きて行けるのでしょう。

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