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みらい通信

2020年6月のみらい通信 20年後10

19年09月06日

今、産業はめまぐるしく発展し、自動化やロボット化が進み、さらには人工知能AIの導入で飛躍的に進化しています。このままいけば人の出る幕はなくなってしまうほどです。しかし、その裏では大量生産によって売れ残った物はすてられ、多くの資源とエネルギーが使われています。限りある資源をいかに有効に使うかがこれからの課題となるでしょう。

 

 

産業の興りは今から200年ほど前になります。イギリスを皮切りにフランスやドイツにイタリアと、産業化が進みました。機械を導入することで大量生産が可能になったのです。さらに鉄道網が発達して、作った製品を幅広く売り込むことができるようになりました。

しかし、多くの製品を作るにはそれだけの原料が必要となります。原料をいかに安く大量に仕入れるか、そのために植民地支配を強化し拡大していったのです。イギリスによってインドや東南アジア、中国の一部はその支配下となりました。それに見習ってフランスやスペイン、ポルトガル、オランダも植民地化を推し進めました。これが近代産業の基盤となったのです。今は安い人件費を追い求めて東南アジアに進出したり、外国人労働者を受け入れたりしています。しかし、それも限界に近づいています。

いつまでも安い人件費で働いてくれる人がいるわけではないからです。中国のようにある程度国が豊かになれば人件費は自ずと上がり、他の安い国へ移行していきますがすでにそれも限界です。今までのやり方がそろそろ限界にきていることを認識する時がきました。

 

 

大量に作って安く売る時代はすでに終わろうとしています。

なぜなら、資源の枯渇や人工の減少、つまり購買者が減っているからです。日本では車の販売台数が徐々に下がり始めています。おそらくこれから急速に下がっていくでしょう。海外への輸出も同様に下がるでしょう。世界経済がこれから低迷していくからです。

今まで好調であった産業は軒並み低迷する時代になってきました。それは時代の流れなので変えることはできないのです。であれば、今までとは違う流れにそくした産業の在り方を模索していくしかないのです。ある意味で、今までとは真逆のスタイルがこれからの主流となるでしょう。大量生産から少量生産、安いものから付加価値の高い物、だれでも作れる物から特殊性がないと作れない物、その最たるものが職人的な物作りになるのです。ひと昔前の日本に当たり前にあった姿なのです。いわゆる伝統工芸や家具職人、さらには宮大工や飾り職人など、その道を極めるのに何年もかかるような職人気質のある産業が復活していくのです。

 

 

つまり、江戸時代のような職人さんが活躍する時代になっていくのです。よいものを末永く使い、補修したり、リサイクルしたり、資源を大切にすることを基本とし、物の大切さを第一にする産業が求められるようになります。なぜなら、今までのように資源が十分に入って来なくなるからです。

世界的な異常気象や局所的な紛争、さらには人口減少によって資源は枯渇するからです。であれば、限られた資源をいかに有効活用し、いかに付加価値を高めるかが課題になってくるのです。それはまさしく鎖国をしていた時の江戸時代と同じような状態なのです。ただ違うのは、鎖国をしていないので少なくても資源は入ってくるし、出来た製品も輸出できることが可能なのです。

 

20年後の産業は、今とはかけ離れた状態になっているでしょう。大量生産、効率化、いかに安くて確かな物を作るか、そんな今の時代とは真逆の状態になっているでしょう。なぜなら資源は枯渇し、人口も減少し、物を最低限にして暮らすスタイルが定着しているからです。それは自然との共生を最大限に意識した生活スタイルなのかもしれません。

生きていくために最低限必要な物だけを求めるため、今のような余分な物はすべて不要になるのです。テレビ、掃除機、洗濯機、電子レンジ、冷房、冷蔵庫、さらには車にバイク、そしてあしきゲーム機などはほとんどなくなっているでしょう。ただ通信機器としての携帯やスマホ、パソコンなどは残るでしょう。さらに生活を支える暖房は蒔きを主とし、調理や炊飯も昔ながらのかまどや七輪が使われているでしょう。なぜなら石油や石炭、天然ガスはほとんど採掘されなくなるからです。

地球の環境を維持するために、世界的に禁止されるからです。おそらく一部の地域は許されるでしょうが、大方は禁止されるでしょう。その代わり、太陽光発電によって最低限の電気は供給されるので必要に応じて使うことはできます。

 

 

20年後がどうなっているのかは、正直な所わかりません。なぜなら今の状態を続けていけば異常気象は恒常化し、多くの人の命が奪われることになります。さらに原子力発電のトラブルや核兵器の使用によって、放射能汚染が拡大する危険性もあります。

残念ながら明るい未来はこのままではやってこないのです。この通信で伝えてきたことは、あくまでも今の考え方や生活様式、社会体制、そして人の生き方を180度変えて初めて実現できることなのです。何もしないでできるわけではないのです。一人一人が今、何ができるのかを考え、そしてできることを一つずつ実践していかなければ変わらないのです。時間はありません。日に日に強まる異常気象はさらに大きくなっていくでしょう。だれもがいつ何時、異常気象によって災害を受けるかわかりません。

そのことをしっかりと認識して、日々の生活を少しずつ変えていきましょう。まずは不要なものは買わない、すでにあるもので不要なものはリサイクルしたり、必要とする人にゆずったり、しっかりと片付けていくとよいでしょう。まさしく断捨離です。

 

 

人の欲には際限がありません。ほしくなると歯止めが効かなくなる人がいます。十分あるのにさらにほしくなる、それは心が満たされていないからです。何らかの理由で、幼少期に母親から十分な愛情がそそがれていないと、心の愛情を受け取る器が不十分な状態で成長していきます。

その不十分な状態を埋め合わせるために、物やお金に対する欲が強まっていくのです。しかし、いくら物やお金を集めても、心の器を満たすことはできません。そのため際限なく集めるのです。やがて物やお金ではあきたらず、生きることに執着していきます。何が何でも生きていたい。そのためには何でもする。なりふり構わずに。

そんな人が今、とても増えています。人の究極の欲望は、死からの逃避です。決して避けることのできない死に対して、愚かにも抵抗するのです。それは、はたから見ればこっけいにも見えるのです。死をいかに受け入れていくか、これもこれからの大きなテーマになるでしょう。

 

 

20年後のシリーズはこれで終わりとさせていただきます。20年後がこの通りになるわけではありません。あくまでもこうなってほしいという願いです。逆に言えば、こうならないと人類の未来はないということです。そんなことがどうして言えるのか、それはこれからの5年間を見ていただければわかるでしょう。すでに世界的な異常気象は恒常化して、その被害はとどまることを知りません。多くの人が災害に巻き込まれていくでしょう。それをくい止めるのは、人の意識改革しかないのです。それをいかに多くの人が認識できるかが、鍵となります。

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