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食養生通信No6【冬の食養生】

22年11月07日

今年の冬はとても寒くなります。電気代やガス代、灯油もかなり値上がりすると思われるので、食べ物でしっかり体を温めなければなりません。冬と言えば鍋ものですが、他にも体を温めてくれる食べ物が多くあるので、しっかりと取り入れるようにしてください。逆に体を冷やす食材は極力ひかえるように、飲み物も冷たい物はひかえるようにしてください。

 

冬場に収穫されるダイコン、ニンジン、ハクサイ、シュンギク、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ミズナなどは、私たちの体を温めてくれます。逆に、本来夏場や南国で取れる、トマト、キュウリ、レタス、ナス、バナナ、パイナップル、キーウイ、グレープフルーツなどは体を冷やします。さらに、ヨーグルトや牛乳、白砂糖やコーヒーも冷やします。アイスクリームが体を冷やすのは当然ですが、体温よりも低い飲み物もなるべくひかえた方がよいでしょう。食べ物や飲み物で体温は大きく左右されるので、冬場は体を冷やす食材はなるべくひかえるようにしてください。

 

体を温める食材の王様は薬味です。ショウガ、ネギ、トウガラシ、カラシ、ワサビ、シソ、ダイコンなどは、昔から薬味として使われます。薬味を添える食材の多くは体を冷やす物が多いのです。そばやうどん、冷や奴やそうめん、刺身に寿司、そして多くの生の物が。ショウガは一番身近で何の料理にも使うことができます。できればひねショウガを冷蔵庫に入れておいて、いつでも使えるようにしておくとよいでしょう。また、お寿司屋さんで出されるガリのような甘酢につけたものを作っておくとよいでしょう。ネギやトウガラシも意識して使うようにしてください。さらにダイコンやカラシもさまざまな料理に添えるようにしてください。

 

冬の料理の定番は鍋ものですが、さまざまな鍋があるので飽きないようにするとよいでしょう。また、野菜スープやおでん、煮込み料理や豚汁などもよいでしょう。逆に、サラダやパスタ、パンや乳製品の多くは冷やすのでなるべくひかえるようにしてください。そして、今の若い人の多くが、冬場でも冷たいお茶や水を飲んでいます。コンビニや自販機で簡単に変えるので、そのような習慣が定着してきたのですが、出かける際はポットに温かい飲み物を入れて持って行く習慣をつけるとよいでしょう。

 

冬場にお餅を食べるのは、やはり体を温めてくれるからです。もち米は腹持ちもよく、体を芯から温めてくれるのでお正月だけでなく、寒い間はたくさん食べるとよいでしょう。鍋に入れてもよし、味噌汁に入れてもよし、おやつ代わりに食べてもよし、意識して食べるとよいでしょう。そしてもう一つ冬場に食べるとよいものが、ミカンとリンゴです。やはりどちらも体を温めてくれるので、南国産の果物はひかえてしっかり食べるとよいでしょう。さらに干し柿や甘栗、甘酒やぜんざい、そして生姜湯やくず湯など昔から冬場に食べられてきたものは体をしっかり温めてくれるので、洋菓子やスイーツ、菓子パンなどはひかえて食べたり飲んだりするようにしてください。それと、塩も体を温めてくれます。今は減塩ブームですが、塩をしっかり取らないと体が冷えてきます。天然塩であればさほど気にすることはありません。ある程度は取るように心がけてください。

 

冬場はどうしても寒いので体を動かす機会が少なくなります。体の体温を保つ熱の多くは筋肉を動かすことで作りだされます。食べ物も大切ですが、筋肉をしっかり使うことで体温を維持することができるのです。コタツの中に入ってばかりいないで、温かい服装をして速足でウオーキングをしたり、スクワット体操を日に何度かするとよいでしょう。縄跳びやストレッチ体操、ホットヨガやジムで運動するのもよいでしょう。冬場こそ体を動かすことを心がけてください。

 

コロナの感染はまた広がると思われます。そのため、ますます外出をひかえることになるため、野外やジムでの運動ができなくなってしまいます。公園や低い山の登山であれば人と接触することは少ないので、ぜひ行ってください。一番のおすすめは、平日の公園や田舎道です。平日が無理であれば車で少し離れた河川の遊歩道や、森を散策するのもよいでしょう。家族だけで行動するなら問題はありません。コロナをあまり怖がらずに、週に一度は野外に出てしっかりと体を動かすとよいでしょう。

 

これから食品はどんどん値上がっていきます。以前にもお伝えしましたが、これを機に食の在り方を見直すとよいでしょう。パンやパスタなどはひかえてお米をしっかり食べるようにする。肉や乳製品もひかえて、和食中心に切り替えていく。大人は、特に中高年の人は1日2食にする。そして、身近な野草を食べることにチャレンジをしてみる。これから野菜もどんどん値上がっていきます。化学肥料の高騰や種の多くも輸入物なので必然的に値段は上がっていくのです。さらに、異常気象により物によっては不作となり、今までのように気軽に買えなくなっていきます。そこで、身近にある野草を今から食べられるようにしておくのです。意外と食べられる野草はあるもので、うまく調理すれば通常の野菜と同じように食べられるのです。タンポポの葉、オオバコ、ノビル、カンゾウ、ヨモギ、ドクダミ、フキ、ヤブガラシ、ナズナ、セリなど、他にもいろいろありますが、季節によっても収穫時期や調理法が異なるため、いろいろ調べてチャレンジしてください。

 

身近に生えている野草には、毒性のあるものはほとんどないのですが、中には下痢をしてしまうものもあるので、十分に調べた上で食べてください。野草ではありませんが、身近にあるものの中にドングリがあります。縄文時代はドングリやトチノミ、クリを主食としていました。ドングリはいろいろな種類があるので、簡単に炒るだけで食べられるものもありますが、十分なアク抜きをする必要のあるものもあります。アクを抜いた後、クッキーやゼリーにして食べることもできます。栄養価も高く、一番身近で保存のきく食材となります。これを機にチャレンジしてみませんか。

 

身近な野草やドングリなどの木の実を食べられるようにしておけば、これからの食糧難に十分対応していくことができます。お米と味噌と野草と木の実があれば、十分な栄養素とカロリーを摂取することができるのです。また、さまざまな豆類を栽培するとよいでしょう。日本では多くの豆類が食されてきました。栽培が簡単で長期保存がきくので、これからの時代にはぴったりなのです。豆の栽培や調理法にチャレンジしてみるとよいでしょう。肉や魚はこれからますます高騰し、たまにしか食べられなくなっていきます。江戸時代までの多くの日本人はさほど肉や魚を食べなくても元気に過ごしていたのです。いまこそ食を見直す時が来たのです。江戸時代の食生活を取り戻せば、糖尿病や高血圧、高脂血症や通風などの生活習慣病は一気に改善されていきます。不要な薬を飲まなくてすむようになるのです。

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