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食養生通信No7【真冬の食養生】

22年11月29日

寒さが厳しくなると、温かい鍋が恋しくなります。鍋はいろいろありますが、体を芯から温めてくれる食材が多いので、大いに食べるとよいでしょう。鍋の主役は何と言っても、白菜や大根、キノコにネギ、そして肉類や魚介類となります。味噌仕立てや出し汁、韓国風やシチュー風などお好みに合わせた鍋を楽しむとよいでしょう。

 

鍋の具材に必ず入れてほしいのが昆布と椎茸です。出汁としてだけではなく、両者に含まれているアミノ酸が体の新陳代謝を非常に高めてくれるので、食べた物を効率よく燃焼してくれるのです。どんな鍋にも入れるとよいでしょう。そして、もう一つが生姜とネギです。この両者は体を温める力がとても強く、特に胃の働きをよくしてくれるので、汗を出させてくれます。冬場はどうしても汗をかくことが少なくなるので、皮膚の表面が冷たくなってしまいます。汗が出ると、一時的に皮膚の表面温度が上がるので、肩の凝りや背中のこわばりがいくらかでも改善されるのです。好みに合わせてトウガラシなどをプラスするとよいでしょう。他にも里芋や春菊、菊芋などもよいでしょう。

 

鍋の後に残った出し汁で雑炊を作って食べるのもよいでしょう。もちろん、翌日の朝食として。いずれにしても、すべてを無駄なく活用することを心がけてください。すべての食材が値上がりするので、いかにすてる物を少なくするかを考えながら作るようにしてください。野菜は余すことなく使い切り、魚はアラを出しとして使うようにしてください。そして、食べられる分だけを作り、残さないように心がけてください。ひと昔前までは当たり前にやっていたことなのですが、今一度認識することが大切なのです。飽食の時代と言われて久しいですが、これからはある意味で飢餓の時代です。何でも食べられるようにしておくことが必要になってくるのです。前回は、身近な野草を食べることをお伝えしましたが、今回は昆虫食をお伝えします。

 

日本では昔から、イナゴやハチの子を食べる習慣がありました。最近、昆虫食が見直されるようになってきて、コウロギやアリ、バッタやミミズを食べるようになってきました。その多くは粉末にされているので、虫の形は残っていません。したがって、言われてみないとわからないのです。昆虫にもよりますが、栄養価が高く、大量に養殖できるのでこれからの食糧難には最適な代替品になるのです。特にタンパク質を補うためには最適な食材となるでしょう。これらの昆虫はどこでも養殖が可能で、エサ代もほとんどかかりません。ただ、乾燥させて衛生的な管理の元で粉末にして、袋や缶詰にする工程に設備投資が必要となりますが、それでも他の肉類とくらべればはるかに安く済むのです。すでに製品化されて市場に出回っていますが、これからどんどん増えていくことでしょう。

これからは、米と野草と昆虫での食事が主流になっていくことになります。肉や卵は時々食べる物となり、肉も鹿や猪のジビエが主流となるでしょう。鶏はエサ代にコストがかかり過ぎるようになることと、鳥インフルエンザが大流行してほとんど全滅状態となることでしょう。豚はコレラで、牛は新種に感染症で全滅するでしょう。
今、確実に世界中の食糧は不足しつつあります。異常気象に自然災害、そして化学肥料の高騰に種の栽培が著しく困難になっているのです。日本の野菜の種の90%以上は海外で栽培された物を輸入しているのです。さらに化学肥料もやはり90%以上は輸入にたよっているのです。すでにどちらもかなり高騰して、輸入量も減ってきました。これからますます減っていくため、必然的に野菜の生産量は確実に減っていくのです。もちろん値段も高騰していきます。そして、家畜のエサとなるトウモロコシや大豆、そして牧草も激減していくため、当然ながら鶏や卵、牛や豚も手に入りにくくなっていくのです。すでに、乳牛のエサが高騰して採算が合わないため、生産をやめている酪農家も出始めています。これからますます多くなっていくでしょう。養鶏農家や養豚農家も、そして和牛を育てている農家も。来年になると、はっきりしてくるでしょう。

 

さらに、野菜も同じように種や肥料代が高騰して、作付けする農家が減っていくでしょう。輸入野菜も高騰するので、かなりの値上がりをすることになります。一番ダメージを受けるのが外食産業です。安い輸入野菜に依存してきたため低価格を維持できなくなり、値上げや閉店が相次ぎ、特に居酒屋やファミレスの閉店が相次ぐことになるでしょう。さらに、宅配弁当や冷凍食品もかなり値上げすることになるでしょう。いかに輸入野菜に頼ってきたかが、はっきりすることになります。そして、それに追い打ちをかけて、鳥インフルエンザや豚コレラが大流行し、壊滅的な状態になるかもしれません。来年の夏は冷夏となるため、農作物はかなり影響を受けることになります。主食である米もかなりの不作となるでしょう。唯一影響をあまり受けないのが、イモ類なのです。サツマイモやジャガイモ、里芋、山芋などは例年並みとなるでしょう。しかし、北海道で作られるジャガイモは冷害で壊滅的な状態となるでしょう。おそらくポテトチップスは店頭から姿を消すことになるでしょう。

 

毎日の生活に必要な味噌や醤油の原料となる大豆は、90%以上は輸入に頼っています。輸入の8割近くがサラダ油などの原料となり、残りの2割が味噌や醤油、納豆、豆腐の原料になっているのです。もし、輸入大豆が止まってしまったらどうなるのか、私たちの生活は根底からくつがえされてしまうのです。和食の元となる味噌、醤油が姿を消してしまうのです。それはてとも現実味のあることなのです。米は何とかなっても、味噌、醤油、納豆に豆腐がなければ和食の根底がくずれてしまうのです。そのことを少しでも防ぐためには、大豆を自家栽培していくしかないのです。一人でも多くの人が、畑で大豆を栽培するのです。まずは自分たちの家族が食べられる分を栽培し、自家製の味噌や醤油を作るのです。そして、納豆や豆腐も作れるようにするのです。大豆の栽培は比較的簡単なので、畑を借りて少しでも作ることにチャレンジしてください。

 

おそらく、来年の夏を過ぎた頃から、牛の新たな感染症が広がることになります。20年以上前に大流行した狂牛病も今はほとんど発生しなくなりましたが、この病気を引き起こすウイルスが長い眠りから目覚めて、大きく変異して大流行することになる可能性が高いのです。それは、世界的な規模で流行し、おそらく数年間続くことになるでしょう。しかがって、しばらくは牛肉を食べることはできなくなるでしょう。そのため、牛丼チェーンや牛タンを売り物にしている飲食店、焼き肉店やレストラン、さらにはすき焼きやしゃぶしゃぶを扱う飲食店は閉店を余儀なくされるでしょう。ちなみに、私たち漢方薬を扱っている薬屋では、牛の胆石である牛黄(ゴオウ)を最高の高貴薬としていざという時の特効薬としてご提供させていただいています。もし、牛の新たな感染症が広がれば、大きな影響を受けることになるでしょう。今から少しでも在庫を多くしていきますが、ご愛用されている方は、いくらかでも備蓄しておいてください。

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