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近未来通信

近未来通信No11【農業3】

23年01月16日

農業とともに大切なのが林業です。ご存じのように日本の林業は衰退し、後継者が極端に減ったため、山を維持管理できなくなってきたため、近年山崩れなどの災害が多発するようになってきました。また、クマやシカ、イノシシにサルがエサを求めて人里に降りてくることも多くなってきました。山を維持管理する人を増やすことが大きな課題となります。

 

日本の国土の7割は山林なのです。そして、生活に結びついている里山はその内の半分ぐらいとなるのです。この里山は本来、人が維持管理していかないと、野生動物と人間の境界線がくずれてしまうのです。つまり、人の手つかずの山林と人が住む場の中間であり、境界線でもあるのが里山なのです。適度に伐採して、維持管理しないと野生動物が人の住む場に乱入しやすくなってしまうのです。里山を維持管理する人が林業を営んできた人たちなのです。安い外材が輸入されるようになって国産の木材の重要は低迷し、林業だけでは食べていけなくなったのです。さらに一昔前は、林業を営む人にとって炭は大きな収入源だったのですが、炭の需要が低下してきたため、ますます生活が厳しくなってきたのです。林業に従事する人は、最盛期の10分の1以下となっていています。しかし、地方の自治体がさまざまな補助金などを使って、若い人が林業に従事するように懸命に働きかけているのが現状です。

 

農業と同じく、これからの時代に必要となってくるのが林業です。木材も当然ながら外国から輸入される量は減っていきます。家を建てたり、家具を作ったり、生活必需品を作るには、木材はかかせません。さらに、エネルギー不足を補う上で、バイオ燃料や炭にも必要です。そしてさまざまな紙の原料となるのです。したがって、林業はこれから大いに必要とされる時代になっていくのです。しかし、とても危険できつい仕事なため、若い人が入りにくいのです。そこで、先端の技術を導入することで、若い人が入りやすいようにしていくのです。その手始めがドローンによる山の調査なのです。現在は、山の状態を調べるためには、実際に山の中を歩いて調査します。とてもハードな仕事でもあるのですが、ドローン使うことで大幅に短略化できるのです。ドローンである程度スクリーニングして、気になる所や必要な場所を絞り込んで現地調査をしていくことができるのです。

 

そして、木材の伐採や枝の打ち払いは、チエーンソウを取りつけたロボットで行うのです。まだ、実用化はされていませんが、現在の技術があればすぐにできるでしょう。さらに、木材の輸送や運搬もそれぞれに応じたロボットを開発して使っていくのです。あと数年もしたら、それだけのロボットやドローンに投資しても、十分に採算が取れるようになっていくでしょう。それだけ、外国からの輸入量が減っていくからです。テイッシュやコピー用紙、段ボールや商品のパッケージ、雑誌や本、新聞に使われる紙は、ほとんどが木材から作られているのです。安い外材が入ってこなくなれば、必然的に国内の木材を使うしかなくなるからです。すでに外材の価格は高騰しています。これからますます上がっていくでしょう。林業を再生する時がきたのです。若い人たちも従事できる環境を整えていく必要性が高まっていくでしょう。
第一次産業でもう一つ重要なのが漁業です。しかし近年、大方の漁獲量は年々減少しています。大衆魚であるサンマやイカ、アジにサバは激減しています。アサリやシジミも外国産を国内産といつわって大量に売られています。カキも原因不明の病気で漁獲量が大幅に減っているのです。これから漁業はますます衰退していくでしょう。しかし、日本人にとって魚や海藻類、そして貝類はなくてはならないものです。どのようにして回復させていくかが、大きな課題となります。

 

漁業にたずさわる人も高齢化が進み、後継者が不足しています。遠洋漁業では多くの外国人が働いていますが、やはりこれから減少していくでしょう。燃料代の高騰や、船や網の維持費にはかなりのお金が必要とされます。今までのような大型船で、遠くまで漁に行くことはできなくなっていきます。そこで、昔ながらの地引網が主流になっていくのです。みんなで力を合わせて網を引く時は、やはり地元の中学生や高校生が手伝うのです。魚の選別は高齢者が行い、干物や加工品は主婦が主になってやっていくのです。現在のような物流システムはなくなっていきます。生きたままの魚をその日のうちに配送することはできなくなるでしょう。燃料費の高騰や、人手が足らなくなるからです。そこでやはり昔ながらの干物や煮物、さらにはカマボコやチクワなどの加工品にして長期保存ができるようにしていくのです。海藻類は元々乾燥して保存することが定着していますが、さらに長期保存ができるようにしていくでしょう。

 

貝類はつくだ煮などにすれば、保存がきくようになります。ただ、アサリやシジミはかなり減っているため、しばらくは口に入らないでしょう。日本人の大好きなマグロやサーモンもしばらくは食べられなくなるでしょう。マグロの多くは遠洋漁業で獲ってくるため、船が出せなくなることで漁獲量は激減するでしょう。サーモンの多くはノルエーなどの養殖物が主流なので、やはり入ってこなくなるからです。シャケはある程度獲れますが、北海道からの輸送が難しくなるでしょう。内陸部の人たちはアユやニジマスが主体となり、あとは干物や煮物で補っていくことになります。すでにお伝えしたように、内陸部の人はシカやイノシシなどが手に入るので、さほどひもじい思いはしなくてすむでしょう。

 

最近、海のない県でもフグやタイを養殖しています。人工海水を作る技術がかなり向上してきたからです。いずれは、他の魚も養殖することができるようになるでしょう。ただ、マグロのような大型の魚は生育するのにかなりの時間がかかり、エサも大量に必要とするため、行われないでしょう。現在のように、安価にマグロを食べることはできなくなるです。近海で昔のように地引網で魚が豊富に獲れるようになるには、おそらくあと10年はかかるでしょう。どの魚も獲りすぎてしまったために、漁獲量が激減しているのです。地引網程度の漁をしていれば、また昔のように魚は増えていくのです。しばらくは、我慢するしかありません。

 

農業、林業、そして漁業のこれからの在り方をお伝えしてきましたが、何度もお伝えしているように、今までのように輸入に頼ることができなくなっていく以上、国内で自給していくしかないのです。そのためには、子どもから大人、そして高齢者も力を合わせていかないとできないのです。それは、やはり昭和30年頃まで行われていたことなのです。家族や親類縁者、さらには村の人たちと力を合わせていたのです。これからもう一度そのような形を作っていかなければならないのです。一人では生きていけない時代となるのです。お金さえあれば、コンビニで何でも買える時代は終わろうとしています。

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