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新世紀通信

新世紀通信No24【住居】

23年11月10日

日本の住まいは和風建築が少なくなり、高気密性の住宅やマンションが多くなってきました。しかし、今年のように高温が長く続くとエアコンが必要不可欠となり、電気代がかなりかかってしまうことになるのです。冬場も全室を温めようとすると、やはりかなりの電気代がかかってしまうのです。

 

日本古来の和風建築は、高温多湿の夏場をいかに少しでも快適にすごすことができるようにと工夫されています。土壁や畳、漆喰や土間、さらには深い軒や縁側などを使うことで、少しでも涼しくなるように工夫されているのです。しかし、それなりの費用と広さを必要とするため、一般庶民にはなかなか手が出ないのが実情なのです。それでも、電気代がこれからますます高騰していく中で、いかにエヤコンなどを使わないようにして快適な生活をしていくかが、大きな課題となるのです。

 

そのためには、大都会での生活をあきらめて地方に移住することが一つあります。さらに、山里での生活ができるようにするのです。だれでもできるわけではありませんが、一番最良の方法なのです。それができなければ、戸建ての住宅に住むようにするのです。今、空き家がかなり増えています。高齢者が亡くなったり、施設に入居して、空き家が急増しているのです。マンションやアパートに住んでいる人は、これらの空き家を借りたり、買ったりして、リホームして住むのです。リホームもなるべく和風建築を取り入れて、蒸し暑い夏場を少しでも快適に暮らせるようにするのです。特に、畳や土間を取り入れるようにしたり、漆喰を取り入れるようにするのです。現在の住宅の外壁は、さまざまな物が使われていますが、その多くは断熱性はすぐれているのですが、通気性や湿度調整はあまりよくないのです。冬場の寒さは着る物で調節できますが、夏の暑さはそれができません。夏場の生活が少しでも快適になるような住宅設計が必要なのです。

 

現在、すべての建築資材が値上がりして、住宅を新たに建てるにはかなりの費用を必要とします。住宅ローンの金利はこれから上がるばかりで、一般庶民には戸建て住宅を建てることはむつかしくなっていきます。であれば、中古住宅をいかに利用していくかが、残されている道なのです。中古住宅もピンからキリの物があるので、十分な吟味をして、いかにコストをかけないようにし、自分でできるところは今はやりのDIY精神で作っていくのです。いわゆる一昔前の日曜大工なのです。今はスマホなどで知りたいことはすぐにわかるので、素材選びや加工方法、さらには製作方法も簡単に知ることができるので、ホームセンターやネットで購入して、自分で作っていくのです。すでに多くの人がチャレンジしています。多少のズレや失敗はあまり気にしなければ、何とかなるものなのです。

 

日本の住宅事情は、これから激変していくでしょう。建築資材の高騰や人件費の高騰、さらには光熱費の高騰も重なって、今までのような住宅は不要になってなっていくのです。ましてや、高層マンションはそれ以上に入居者が激減していくでしょう。大都市の高層マンションはゴーストタウン化していくのです。

 

畳表の原料となるイグサのほとんどは、九州の熊本県で作られています。現在、国内産はおよそ20%ぐらいで、その多くは中国から輸入されています。しかし、今後は中国からの輸入もできなくなっていきます。中国ではこれから自然災害がかなり多く発生していくため、イグサの栽培ができなくなっていくからです。中国は自然環境をかなり破壊してきたため、干ばつや洪水が近年頻繁に起こっています。これからさらに多くなっていくため、栽培が困難になっていくのです。国内のイグサの生産能力を高めていくことが急務なのですが、畳需要は低迷しているため、生産者はなかなか増産しようとはしません。しかし、中国からの輸入品が減れば、少しずつ増産していくでしょう。そして、国内の畳需要も高まれば、多くの農家が参入していくでしょう。

 

和風建築に必要な木材も、その多くは輸入に頼っていますが、ロシアやカナダの安価な木材も入りづらくなっていきます。度重なる山火事で森林が減少しているからです。また、ロシアはウクライナとの戦争で多くの労働者を兵として招集しているため、木材を製造する労働者が激減してしまうのです。結果的に輸入木材は高騰していくので、国内産の木材の需要が高まっていくのです。しかし、林業にたずさわる人は年々減少しているため、木材の増産はすぐにはできませんが、これからの需要は見込めるので増産体制を急務で作っていくでしょう。

 

和風建築に欠かせないのが瓦です。瓦の需要も年々低下し、瓦産業もその規模を縮小しています。新たに作るよりも、古民家や中古住宅の瓦をリサイクルして使うことも検討していくべきです。瓦を焼くには大量の重油が必要とされるので、コスト的にもリサイクル品を使った方が安くすむでしょう。これから、多くの寺が閉じていきます。檀家制度が崩壊し、寺の維持運営が困難になっていくため、閉めざるおえなくなっていくのです。古い木造建築が多いので、木材もリサイクルして活用できるでしょう。瓦は何百年たっても劣化しにくいので、リサイクルするには好都合なのです。寺だけでなく、神社や古い建造物をリサイクルして使っていくことがこれからの課題となっていきます。

 

日本には豊富な資源があります。それは竹です。逆に多くあり過ぎて竹林公害となっています。竹はしなやかで加工しやすく、うまく使えば何十年も使える素材です。この竹をいかに活用して行くかが、これからの大きな課題となるのです。竹を使った外壁や屋根、さらには床や内壁にも活用できるのです。そして、筍などの食用や生活用品の素材としても使えるのです。これからは、竹をどれだけフル活用して行くかが大きな課題となるのです。日本では昔から竹を利用してきました。肥後細工や籠にザル、さらには竹炭や建築材として使われてきました。近年、石油製品がそのお株を奪ってきましたが、これからは、もう一度竹を活用していくのです。竹を英語ではバンブーと言います。この語源は、マレーシア語で「貫通できる」と言う意味なのです。節が簡単に貫通できるところからきています。これを拡大解釈すれば、無限の多様性があるということなのです。

 

竹は、一日で数十センチも成長します。それだけの生命力を持っている植物は他にはありません。竹こそがこれからの日本を支えていく資源なのです。建築材料や炭にして燃料にもなります。生活用品の原料にもなりますし、農作物の肥料にもなります。さらには、竹の炭は水の浄化もしますし、空気の浄化もします。そして、一番の利用価値は、食料になるのです。筍は当然ですが、ザーサイなどの竹を加工した食品がいろいろとできるのです。竹を食品としてどのように使っていくかが、これからの大きな課題となるでしょう。

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