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新世紀通信No27【家族】

23年11月16日

核家族化が進んで久しくなりますが、近年はさらに家族内での孤立化が進み、同じ屋根の下に住んでいても、それぞれ自分の部屋で好きなことをして過ごすことが多くなりました。家族団らんなどと言う言葉は、死語になりつつあるのです。特に、中学高校になると受験勉強などで、一家団らんで過ごす時間は少なくなっているのです。

 

昭和の時代は、一家団らんの風景がまだ残っていました。アニメの「サザエさん」のように、ちゃぶ台で家族がいっしょに食事をとる光景はほのぼのとした温かさを感じます。しかし、最近は夫婦共働きが多くなり、子どもたちは孤食ですませるケースも増えています。ひと昔前は、三世代で住むことが多かったので両親が仕事などで忙しくても、おじいちゃんやおばあちゃんがフォローしていたのです。そんな人が近くにいないために、子どもは一人や兄弟だけで食事をとるようになってきているのです。子どもたちは、夕食時に今日学校であったことなどを親に話して、心の整理をしていくのです。そんな癒しの時間がなくなっていくと、子どもたちの心はすさんでいってしまうのです。その結果、うつ病になったり、不登校になったり、さらには自死したりしてしまうのです。また、薬物に手を出したり、出会い系サイトにのめり込んでしまうのです。

 

このようなことを防ぐには、子どもたちが心を開いて話せる場を多く作って行く必要があるのです。さまざまな場を作ることで、子どもたちの心を癒していかなければならないのです。フリースクールや子ども食堂、さらには学童や福祉施設など、多様な受け入れ場所を作って行く必要があるのです。特に、子ども食堂はみんなで食事をしながら、今日あった出来事を話す場としては最適なのです。現在、多くの子ども食堂が資金難で苦しんでいます。一人でも多くの人が何かしらの形で、子ども食堂に援助をしていただけるとありがたいのです。料理を作ることを手伝ったり、配膳や後片付けを手伝ったり、子どもたちの相手をしたり、さらには食材を提供したり、食材費の足しになるようにお金を寄付したりするのです。

 

子どもたちが多くの人と食事をすることの楽しさを知ってもらうのです。そして、親には話せないことを吐き出してもらうのです。そうすれば、心が軽くなって元気になっていくのです。そのような場を多くの大人たちが作ってあげないといけないのです。これからますます経済は悪化し、貧困家庭が激増していきます。夫婦共働きで、孤食をする子どもは増えていきます。さらに、三食を十分に取ることができない子どもたちも増えていきます。学校が休みの土日や夏休み、冬休み、春休みなどはこのような子どもたちはとても大変なのです。学校給食が唯一の食事となっている子もいるからです。このような子どもたちを何とか支えていくことがこれからの大きな課題となるのです。

 

家族がそろって食事をすることが困難になってきた現在、いかにそれに代わる場を作っていくかを、多くの人が真剣に考えていかなければならないのです。私もいずれは子ども食堂を開いていくつもりです。せめて、週に一度は開けたらいいかなと考えています。子どもたちの心の居場所になればと思っています。

 

家族は多いほど、さまざまな人間関係を学ぶことができます。ひと昔前は兄弟も多く、おじいちゃん、おばあちゃんもいて、さらにはおじさんやおばさんもいっしょに住んでいました。時にはケンカもあり、時には言い争ったり、いっしょに笑ったり泣いたりしました。そのようなことを体験することで、人とのコミュニケーション能力や対応能力を身につけていったのです。しかし、核家族化が進み、兄弟の数も減り、一人っ子が多くなってきた昨今、学校や習い事、スポーツなどでしかそのような能力を磨くことができなくなっているのです。異年齢同士の子どもたちがいっしょに遊ぶこともなくなり、ゲームなどで遊ぶことが多くなってきたため、社会に出た時に、多くの人とすぐになじむことができなくなっているのです。まずは家族とのコミュニケーションを深めていかなければならないのです。

 

家族とのコミュニケーションを取る場が、食事なのです。昔はちゃぶ台でしたが、今はテーブルですが、いずれにしても顔を突き合わせて話すことが大切なのです。少しでもそのような時間を取ることを親は意識しないといけないのです。子どもはご飯だけを与えていれば育つのではないのです。体だけでなく、心も育てていかなければならないのです。それがいっしょに食べるということなのです。少なくとも、週に1~2回は子どもといっしょに食事を取るように心がけてください。特に、父親は仕事が忙しくて、子どもといっしょに食事を取ることが少ない人が多いので、ぜひとも時間を作るようにしてください。

 

どうして日本は子どもたちといっしょに食事を取る時間を奪うほど、働かなくてはいけない状態になってしまったのか。高度成長期もそうでしたが、父親は忙しくても母親は何とか子どもといっしょに食事はしていました。今は、母親もフルタイムで働かないといけない状況になっているのです。すべての物が値上がり、税金も多くなり、社会保険料も高くなっています。賃金はわずかに上がるだけなので、生活は苦しくなるばかりなのです。このような構図になったのは、税金の多くが国民生活のために使われていないためなのです。その多くは、アメリカ国債を購入したり、各省庁が自分たちの影響力を強めるためにムダな補助金をばらまいたり、さらには大手ゼネコンや大企業が儲かるような公共事業や施設建設に使われているためなのです。さらに、医療費や介護保険料を野放しに使わせて、その財源を国民に押し付けているためなのです。つまりは、国民生活を豊かにするために使われている税金はごく一部なのです。そのため、いくら働いても楽になるどころか、苦しくなるばかりなのです。

 

そのしわ寄せが子どもたちにのしかかっているのです。最近になって、政府はあわてて子ども家庭庁を設立しましたが、30年遅れているのです。今作っても、すでに時機遅しで子どもの数は激減していくばかりなのです。本当に子どものことを考えるなら、家族がいっしょに食事を取ることができるような環境を作らないといけないのです。へだたった税金の使い方を改め、残業や時間外労働をしなくても生活していける環境を作らないといけないのです。しかし、そんなことは今の政府や与党にはできるわけがありません。自分たちも多くの税金を懐に入れているのですから。そのような政治家は、これからどんどん淘汰されていきます。あと1年もすれば、ドンと呼ばれている政治家の多くは消えていくでしょう。その後、本当に国民のために税金を使う政治家が少しずつ現れていくのです。それまで、何とか私たちが一人でも多くの子どもたちを支えていかなければならないのです。未来を築く子どもたちを、いかに支えていくかが最大の課題となるのです。子どもたちの心と体をすこやかに成長させていくことが国の繁栄につながるのです。経済ではないのです。

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