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近未来通信

近未来通信No9【農業】

23年01月14日

農業はこれから大きく変わっていくでしょう。なぜなら、化学肥料や種、そして農薬の原料が入ってこなくなるからです。JA農協は、国産の農産物は安心安全であるとピーアールしていますが、現在の野菜などの種の9割以上は輸入に頼っています。さらに、化学肥料や農薬の原料も同様なのです。純国産はわずか1割以下なのです。

 

米以外の農作物の多くは輸入に頼っている日本はこれからどうなっていくのか、当然のことながら食糧危機がやってくるのです。すでに多くの食料品が値上がりを始めています。これからさらに値上がっていくでしょう。追い打ちをかけるように、鳥インフルエンザや豚コレラが蔓延していきます。おそらく夏頃には、狂牛病に類似した伝染病も流行することでしょう。そうなれば、卵や食肉も手に入りずらくなっていくのです。信じられないかもしれませんが、すでに鳥インフルエンザの感染は過去最高レベルに達していて、さらに広がっていきます。経済の優等生である卵の値段はうなぎ登りになっていて、各方面に多大な影響を与えています。マヨネーズやお菓子にケーキ、さらには飲食店や学校給食にも影響していくでしょう。このような状態がしばらく続くのです。鶏肉や豚肉、牛肉も同じようなことになれば、経済的にもかなりのダメージを受けることになるのです。

 

多くの食材が手に入らなくなれば、飲食店やホテルに旅館、さらにはスーパーや仲買人、食品加工会社はかなりのダメージを受けてしまうのです。もちろん一般の人たちも。そのような状態が目前に迫ってきているのです。このようなことを以前からお伝えしているのですが、なかなか信じてもらえませんでした。しかし、いよいよ現実化してくるのです。すでに、米や保存のきくイモ類や乾物などの買い占めが始まっているのです。冷凍食品やレトルト食品も長期保存ができるように改良されつつあります。大手食品メーカーや商社はある程度は食糧危機がやってくることを見越していますが、その見通しが甘いことを痛感することになるでしょう。

 

このような状態の中でどのようにしていけばよいのかを、この通信でお伝えしていきます。まず、自分で食べ物は自分で作る、もちろんすべてまかなうことはできませんが、少しでも自給することを実践していかなければなりません。しかし、今までのように種を買って化学肥料を使うのではなく、種は日本古来の野菜の種を入手し、来年用の種を自分で作っていくのです。現在市場に出回っている野菜の種のほとんどは、海外で生産された物なのです。さらに、見栄えがいいように品種改良されているので、次世代を作り出す種ができないのです。つまり、ホームセンターやJAで売っている種は、次年度の種を作ることができないのです。逆に言えば、そのように作られているのです。そうすれば種屋やJAが儲かる仕組みになっているのです。少数ではありますが、日本古来の野菜の種を販売している所があります。インターネットでも購入できるので、まずはしっかりした種を手に入れることから始まるのです。

 

そして、化学肥料を使わない農業をしていくのです。すでに化学肥料は大幅に値上がってきています。さらに上っていくでしょう。これからは落ち葉や小枝を堆肥にして肥料として使っていくのです。
現在は鶏糞や牛糞を堆肥として使っていますが、すでにお伝えしたように、これから家畜は激減していくので手に入れることはむつかしくなっていきます。さらに、落ち葉も田舎であればいつでも手に入りますが、ある程度の町や住宅街ではむつかしい面があります。そこで注目されるのが微生物の活用なのです。すでにいくつかの微生物が野菜作りに活用されていますが、それをより極めていくのです。数種類の微生物を配合することで土壌がとても豊かになり、肥料を使わなくても作物は十分に育つのです。すでに実用化されているので、いろいろと試されてみるとよいでしょう。ただ長年、化学肥料を使ってきた畑は、2~3年かけてそれを除去する必要があります。それについては、次号で詳しくお伝えします。

 

野菜だけでなく、米もこれからは自然農法で作られていくでしょう。当然ながら収穫量はかなり減りますが、肥料代や農薬代がかからないので、キロ当たりの価格はさほどかわらないでしょう。ただ、農業用機械にかなりのコストがかかるので、すでにお伝えしたように、中学生や高校生、大学生にも手伝ってもらって、人海戦術で行えばコストは抑えられるでしょう。また、普段の草抜きやあぜ道の補修や管理は高齢者が行うのです。さまざまな人の力を合わせれば、自然農法で米を作っていくことができるのです。日本人にとっての主食である米をいかに安定して作っていくかが、大きな課題となるでしょう。

 

家畜についてはすでにお伝えしたように、これから大幅に激減していきます。おそらく2年ぐらいは続くでしょう。そのため、養鶏農家や養豚農家、そして酪農家の多くは廃業となるでしょう。もちろんそれに関連する業種も。その後は、個々に鶏や豚、牛、ヤギなどを飼って、必要に応じて精肉にしていきます。さらにジビエ、つまりシカやイノシシなどの野生動物も取り入れていくのです。今、野生動物によって自然や農作物がかなりの被害を受けています。もとはといえば、人が自然を破壊して彼らのエサとなる木の実や広葉樹を少なくしてしまったことが原因なのですが、ある程度の均衡の取れた数にするためにも、一定数を食用としていくのです。いずれにしても、今までのように狭い場所に押し込んで、劣悪な環境で家畜を育てることはなくなっていくでしょう。

 

家畜、特に鶏が激減すると卵が今までのように安く手に入れることができなくなります。その代替えとなっていくのが、ドングリなのです。ドングリはブナ科の木の総称で、日本にはおよそ20種類ほどありますが、食用に適しているのは10種類ほどです。栄養価が高く豊富にあるので、これからの食糧難の時代にはなくてはならない物となっていきます。縄文時代には、ドングリはクリと同じように食べられていたのです。ただ、渋みの元であるタンニンを多く含む種類が多いので、アク抜きをしなければなりませんが、それさえうまくできればとても美味しくいただけるのです。今から少しずつ、ドングリを食べる機会を作っていくとよいでしょう。

 

食糧危機の救世主は何と言っても、野草です。昔から飢饉の時に食べられてきた野草があります。ヨモギやオオバコ、カラスノエンドウ、ヒガンバナ、スベリヒユ、カンゾウ、ツクシ、ナズナ、セリ、ワラビ、ゼンマイなど他にもいろいろありますが、普段から少量でいいので食べてみるとよいでしょう。中にはアクが強い物や軽い毒性がある物もあるので、しっかりとその抜き方を知っておくとよいでしょう。米と野草と豆類とイモ類が主体となった食生活となっていきます。肉や魚はたまに食べる程度で、さらにソバや雑穀も多く取り入られていくことでしょう。このような食事を江戸時代の一般庶民や農民はしていたのです。それでも、元気に活気あふれた生活を送ることができていたのです。

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